永禄七年…戦国の世に人が在り、闇が在り。人を喰う闇が在り、闇を狩る人が在り。その狭間に、手を取り合う人と闇が在った時代。
武者修行の旅をしている自称浪人・兵頭真介は「世直し姉弟」を名乗る妖狐・たまと仙道・山戸迅火の義姉弟に出会う。強くなるため二人と行動をともにする真介だったが、霊力僧兵集団「断怪衆」が人と闇を融合させた霊力強化改造人間の実験をしていることを知り、「闇の世界」へと深く踏み込んでいく。
そしてそれは「人とは何か」「闇とは何か」を問う、長い長い旅の始まりだった…！

目を覚ました千夜は、自分が何者か、今まで何があったのか、その一切の記憶を失くしていた。
真介や月湖と旅をする中で、千夜は戦うのをやめて「人間になる」ことを決意する。しかし内なる「千の闇」は更なる戦いを求め続け、その「千の闇」の力を喰うべく黒龍ムドが千夜を急襲する。
力のために起きる戦いなのに、戦わないために力が要る……その矛盾に苦しむ千夜。そんな千夜の前に、室町幕府第十三代将軍・足利義輝が現れた…！
人が扱うには大きすぎる闇の世界の力と向き合い、その身を極める…第二部「千夜編」堂々開幕！

各地で多くの闇が「雲」に捕らわれていた。それは運命力に優れた千夜に対抗すべく、無の民が「闇の軍勢」を編成するためであった。その中核には正気を奪われ移動要塞と化した「万象王」と、龍神王ナダレ……「神雲」がいた。
最強を求める中で師弟の関係となった道錬とムドに思いがけない再会をする千夜。猩々を助けるため、神雲と戦うため、闇の軍勢と向き合うために、三人は手を結ぶ。
決戦の場所は、2つの「霊的特異点」が生まれた地…断怪衆本山。だがそこには驚くべき相手が待ち受けていた…！
千の闇が密集する身体で、大量の霊気が千夜を「人でも闇でもない何者か」へと進化させていく。その迷いと苦しみの末に…千夜はひとつの「決意」を得る！